Tama Tax Tokyo はてな支店<開業税理士の玉婆が熱く語るページ>

日芸音楽学科を卒業したのに簿記と出会って経理ウーマンとなり、税務相談ができるBARを夢見ていつの間にか税理士になった玉婆のブログ。

当事務所の5月について・個人住民税の特別徴収強制について

当事務所の5月について

 

ちまたでは3月決算法人の申告が佳境に入っている頃でしょうか。

玉婆の今月は税務調査2件の対応、M&A、当事務所の補助金申請書類、税法学原論研究会のレジメ作り、相続、新会社設立など。

それらについては、別途ご報告できる機会があれば幸いです。

 

勤務時代は、デカい3月決算法人→6月延長だったため、5月は2,3件しかもともとなかったんですけども。

普通の会計事務所(?)並みに決算件数があったなら、とても今の業務はこなせなかったですねぇー。

すでに臨場調査を終えた税務調査について、先日調査官から「もう1日追加お願いします、来週中に」と連絡が来たときに

「5月が会計事務所にとってどういう時期かって分かってますよね?!」

とタンカ切りましたが・・・

玉婆自身は5月申告0件でございました(-.-;

しかし、自分が決算で忙しいとは一言も言っておりません。実際にその週は予定入っていましたし、納税者側の都合もあり、急には無理なんです、ハイ。

(虚無の発言をしたワケでないことをご理解いただきたい) 

個人住民税の特別徴収強制について

そんな中、個人住民税の特別徴収(給与天引き)の納税通知書が届いたよ~とチラホラ顧問先からお知らせ頂いております。

 

個人住民税については、少人数の事業所や人の出入りの多い事業所については、自分で住民税を納める「普通徴収」としているところも多かったと思います。

だいたい会計事務所には「普通徴収希望」というハンコが常備されており、赤スタンプで押して、給与支払報告書を提出していました。

何も書かなければ「特別徴収」として取り扱われますので、スタンプし忘れるとエライことになってしまいますので、入念にチェックしてから送付することを心掛けてまいりました。

 

昨今、給与計算ソフト上で普通徴収、特別徴収にチェックを入れる感じになっており、給与支払い報告書の備考欄に「普通徴収」「特別徴収」など、自動的に記載されるようにできており、赤スタンプは、ほぼ化石化しつつあります。

(当事務所では赤スタンプ作ってないですし)

しかしながら、市区町村の方で見過ごしたりするケースもあり、勝手に特別徴収になってたりすることもあったので、怖い~と思い、摘要欄の記載に蛍光ペンでマークしたり、総括表にも赤スタンプ押したりして強烈に「普通徴収希望」をアピールしておりました。

 

それとは裏腹に、平成28年からほとんどの自治体で特別徴収が強制とされ、東京都は平成29年から特別徴収が強制とされ、不便を感じている事業主も多い事と察します。

 

実際のところ、東京都下の複数の市区町村では、数年前からすでに強制的に特別徴収にされたところもありましたね~。

そして、今回の強制化に伴い、会計事務所として、また税務担当者によって、給与支払報告書をどう提出したかというのも、まちまちだったんじゃないかな~と推測します。

(1)強制化なんだからしょうがない。はじめから特別徴収で出す。

(2)とりあえず普通徴収で出す。

(3)摘要欄には何も記載せず、市区町村の判断に委ねる。

など・・・

総括表(一番上に添付する、表紙のようなもの)の書式も、市区町村から送られてくるものは、普通徴収と特別徴収の人数内訳を書かなくてはいけなかったりするんですけども、給与計算ソフトや法定調書作成ソフトから印刷する総括表には、その内訳欄がないものもあるので(自分のは実際そうでした。しかし最近のは内訳欄あり)、あえて何も書かないといった判断もあるかなと思います。

 

顧問先に特別徴収が初期値であり、かつ強制化されてしまうことを説明したうえで、顧問先の意見を聞くワケですが「それだったら特別徴収でいいです」というところもありましたし「できれば普通徴収で提出して欲しい」というところもありましたので、できるだけご希望に沿って提出しております。

 

普通徴収希望で出したとしても特別徴収になってしまった場合の対応もまた、まちまちかと思います。

事業者じたいは特別徴収強制化を理解しているとしても、従業員自身が「なんで?!」となり、クレームになる場合もあるワケですね・・・

普通徴収を継続できる”特別な理由”に該当しないようなケースについては(1)強制化になる旨(2)それでも普通徴収を希望されるという場合には、個別にお問合せください。でも普通徴収になるとは限らないのでご理解ください。 といった文書を作成した事業所もありました。

 

そんな中、従業員1名にも関わらず特別徴収の通知が来てしまった事業所があり。

(2名以下なら当面普通徴収OKとか、少人数の場合には猶予がある自治体が多いと思います。ただし承認されればですが)

「あぁーついに来てしまったか」といった感じでした。

そこで自分が問い合わせると「税理士なのに法律分かってないんですかぁ~?」みたいな状況になることが予想されたので、今回、事業主さんからお願いしてもらった方が普通徴収にできる確率が高いかなと思い、直々に問い合わせをお願いしました。

 

ところが、その判断が思わぬ方向に・・・

市区町村の担当者が、事業主さんに対して言った内容が

「給与支払報告書の摘要欄に、普通徴収希望と書いてなかったので特別徴収にしました。書いてあれば普通徴収になったのに」だったそうです。

 

これって「会計事務所が普通徴収希望と記載していなかったのが悪い」といった様な言い方ですね。

いやぁー普通徴収希望と書いてあるハズだし、とりあえずそれでチャレンジしましょうという事でご理解いただいているハズで。

自分が作ったのがどういう状況になっていたかソフトを立ち上げて見てみたところ。

摘要欄に「普通徴収希望(従業員少数のため)」と記載がしてありました。

希望、とは書いてませんでした。しかし業界的には希望という意味で読みます。

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事業主さんに市区町村のTEL番号を聞き、プルル~♪

市区町村「確かに、摘要欄に記載がしてありますね・・・

  昨日事業主に説明した担当者が電話中ですので確認して折り返します」

 

その後、しばらくして折り返しTELが入りました。

市区町村「普通徴収に切り替える旨の”理由書の添付がなかった”ので特別徴収にしました」(そこかよ・・・と思う)

玉「確かに、理由書を添付しなかったのは申し訳なかったです。

  しかし、実務上は1事業所だけでも何十か所も提出しなくてはならないといったところもあるしソフトから印刷して統一した書式で出てくるので、いちいち市区町村が独自に用意した書式は使ってられないんですよ。

だからこそ、摘要欄に明らかに理由も記載しているワケで、それみればフツウ判断できますよね。

理由”書”の添付がなかっただけで勝手に特別徴収にしてしまうというのはあまりにも杓子定規すぎるし、会計事務所の連絡先も記載しているんですから、だったら理由書提出してくださいと連絡すればいい話でしょう?」

市区町村「それでしたら、理由の区分を記号(この場合は、普E とか)を記載していただければ良かったです。東京都からのお知らせにそう書いてあります

玉「あのねー。言いたいことは分かるけど、この仕事は会計事務所にとっては極めてルーティンで、今更いちいち説明書の細かい所まで読むような仕事じゃないんです」

 

記号が記載していないということを指摘した市区町村側、してやったりといった感じでしょうか?そして第2ラウンド。

市区町村「でも、理由書の提出がないと、人数が少数であるという判断もできません」

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玉「総括表に他市区町村も含めた従業員の総人数書いてあるでしょう?それ見ても分からないんですか」

市区町村「でも、人数だけで普通徴収にできるとは判断できません。その方が専従者かどうかも分からなかったので」

玉「事業主と同じ苗字で、事業主と同じ住所だったらフツウ専従者だっていうぐらい判断つきますよね?」

形式基準一発KOを狙う赤コーナー市区町村。それに対し、判断力のなさにジャブを入れ返す青コーナー玉婆。

そして最終ラウンドのゴングが鳴り響きました。

市区町村「原則は”特別徴収”なんですね。その旨は、納税義務者(事業主)に10月ごろお知らせをお送りしています」(こちらはやる事はちゃんとやった、と言わんばかり)

玉「あぁーそうですね。原則は特別徴収ということは分かってます。

  私は決して法令遵守しない”って言ってるワケんじゃないんです

  だから、法令に乗っ取って特別徴収になった、と最初から言われれば、理解できたと思いますよ。

  ところが、事業主に対して”最初から普通徴収って書いてあれば普通徴収になった”と説明したことに問題があるんですよ。

  摘要欄に理由まで記載してあったにも関わらず、あたかも”何も書いてない税理士が悪い”といった虚無の発言のおかげで、顧客からの信頼失墜につながりかねない状況に陥ったワケです。もしこれで私の収入が失われたらどう損害賠償してくれるんですか!」

 

またもや「うるせぇババァだな」と思われたことと思いますが(-.-;

結果として、異動届を提出すれば今年度は普通徴収に切り替えます、ということで決着がつきました。

そもそもは理由の記号を書かなかった玉婆が悪いといっちゃ悪かったですが、市区町村が摘要欄を見過ごした(or無視した)のが、行き違いが生じた一番大きな原因だと思います。

なので、異動届書くのも玉婆的には疑義がありますが、ここはしょうがないということで。急ぎで月曜までに到着させてください、とのことでした。

そして、事業主さんへは市区町村から事の経緯を説明するTELが入ったそうです。

そのTELした担当者は、先ほど玉婆がやり取りしたのと同じ名前でしたが、昨日事業主へTELした担当者はどこさ行ったべ?ってな感じでした(-.-)

 

異動届はすぐ作って郵送しました。

顧問先にご承諾頂いたうえで、↓のような送付状を添付。

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先日の記事でも「行政と税理士のコミュニケーションが大事」と書きましたが、勝手に判断した結果、今回の様な事件につながり、市区町村・納税者・玉婆の3者誰にとっても良い事は一つもないんですね。

特別徴収が強制されている中であえて普通徴収希望で提出するという意向を示しているワケです。

どういうことなのか?と考えて判断すべきと思いますし、しかも税理士が代理作成しているワケですので、まずは代理人の意見を聴いてしかるべきと思っています。

 

玉婆個人的には、特別徴収の全事業所強制化は、特に小規模の事業主にとっていたずらに納税事務負担を増すことになり、かえって合理性に欠けると思っています。

さらに給与天引きされることにより、本来の納税者である一個人の納税意識が薄くなっていきます。

適正な納税の実現にあたり、徴収業務を事業主への負担を通じて強化させるだけでなく各個人の納税意識を高めることがまず必要なんじゃないかな~と考えております。