Tama Tax Tokyo はてな支店<開業税理士の玉婆が熱く語るページ>

山口玉美税理士事務所Tama Tax Tokyoのブログ支店です。

恐怖の非居住者住民税・其ノ弐

前回、外国人の方が出国後、住民票の異動の手続きを失念していたために、多額の住民税の納税通知書が届いた。そして、出国後も日本にいた日数が多かったため住民票の異動(=出国)を認めてもらえなかったこと&1/1に遡って住民票の異動の手続きはできない=このまま課税されちゃうのか? 

というところまで書きました。

 

しかしながら、他のいくつかの市区町村においては、事実が明らかになれば、遡っての異動も可能なようでした。

というワケで

(1)出国の手続き=住民票の異動を行うこと

(2)出国の事実を証明し、R2の住民税の課税を取り消してもらうこと

をしなければならないが、どうしようという状況でした。

 

その方は英語しかできないということについて、最近は英語対応スタッフもいると聞いていたし、HPや転出届についてもEnglish versionがあるので、手続きできると思っていたのですが、実際やはり、細かいニュアンスが伝わりきっていないことが役所においてトラブルの原因であることが想定されました。

 

そして、その方から「山口が代わりに手続きできないか?」と聞かれたので区役所に問い合わせたところ

教訓:委任状さえもらえば、誰でも転出の代行はできる。

ということのようです。

(ただし、郵送の場合は本人直筆の転出届が必要みたい)

 

というワケで・・・

・転出届 サイン入り

・パスポートのコピー 渡航歴が分かるページと顔写真のページ

 (遡る場合は、パスポート全ページのコピーが必要だそうです)

・現地国の居住証明書のコピー

・現地国での公共料金の請求書のコピー

・弁明の書面 英語の場合は訳文が必要→メールで頂いた内容を元に2か国語で当方作成

・委任状 2か国語表記→当方作成

・前回、依頼人が区役所で職員とやり取りした時の渡航歴確認のメモ(職員が書いたものらしい)

を用意し、区役所へ郵送。

 

2日後、玉婆の元へ区役所からtelあり。

住民票担当「書類を頂きましたが、このメモを見る限り、やはり日本の滞在が多いので、R元年中の出国は認められないですね」

玉「いやいやー。それは、あくまで〇〇の会社からの出張で日本に来ている時とか、休みの日に家族に会いに来ているだけで、住んでいるワケではないんです。レターにも書きましたけど」

・・・押し問答が続いた後・・・

住民票担当「結局のところ、住民税の問題ですか?」

そうでーす!!

と心の中で叫びつつ、最初は、そうではないと答えたものの、住民票は断固として動かないということのようで。

 

しかし、その後

住民票担当「住民票と税金は別なので、課税課にお回しましょうか?」

教訓:担当者によって取扱いが違う。

前回は一緒だから税金かかるって言われて、こういう事態になってるんだけど・・・と思いつつ

玉「はい、では課税課につないで頂けますか?」

課税課担当「課税課担当の○○と申します」

玉「住民票の担当の方からお話聞いてると思いますけど、この方、昨年の〇月×日に出国されてまして。

  その時に出国年調と準確定申告も済ませてるんですね。

  現地に1/1現在住所もお持ちなので、それがないならまだ理解できますけど・・・

  明らかに現地国の居住者なのに、日本の課税権が及ぶのはあり得ないですよ」

課税課担当「え、準確定申告されているんですか?」

  ~この時、風向きが若干変わった感アリ~

課税課担当「今、課税されているのが、会社から給与支払報告書を基に計算されているだけのようです」

玉「それ、〇月〇日で退職の扱いになっていると思いますけど」

課税課担当「退職になってます・・・いつごろ準確定申告は提出されましたでしょうか?」

 

その後、準確定申告の提出日など詳しい情報を伝えて、一旦TEL切って、準確定申告が提出されているかどうかの確認をしてもらいました。

 

で、課税課担当から折り返しTELかかってきて。

課税課担当「確かに、〇月〇日に準確定申告提出されていました。課税取り消します。お手元の通知書は破棄いただけますでしょうか?」

教訓:出国時の準確定申告は、出国したかどうかの大きな判断の要素になるらしい。

課税課担当「通常の確定申告の期間に提出されたものでないので、見過ごしがあったかもしれません」

えぇーーーーーーーそういうことですかぁ?!?!

教訓:住民票と住民税は100%リンクしているとは限らないらしい。

今までの苦労(というほどのものでもないけど)は何だったんだろう。。。

と虚しさを若干感じましたが、課税を取り消されることが決まったので、肩の荷がズッドーン下りた次第でございます。m(__)m

 

この仕事、心臓がいくつあったら足りるんだろうか・・・とたまに思いますけども。

カンベンシテチョウダイ

 

その後、住民票担当にTEL回してもらって、住民票については、遡らなくて今からの転出でいいということで、落としどころがつきました。

 

数日後、課税取り消し通知が無事届いたの図。 めでたしめでたし

f:id:tamabar:20200709112001j:image

むすび

そもそも、転出届を速やかにしていれば、このような事態にはならなかったのですが。

区役所側の方で「出国の確定申告しているのに住民票まだありますけど、どういう状態なの?」という疑問が沸き起こって、それを確認するような手続きがあってもいいのでは?

という気もいたします。

 

外国人の方に限らず、日本国内の異動においても「なんで○○市から住民税来るの?」とか起こりかねないので、お引越しの際には、速やかな転出手続きをおすすめいたします。

以上、住民税で心臓止りそうになったけど無事、課税取り消しになった件について、ご報告させて頂きました。

It is OK if tax is not imposed.
However, moving out date cannot be backdated and your JUMINHYO address will be moved on current or future date.
I recommend proceeding ASAP or in advance when you return to your country.

 

<Vocaburary>

power of attorney 委任状

move out  転出する

residence card 在留カード

resident tax  住民税

procedure 手続き