先日、是認だった医療機関の税務調査のつづきをば・・・
玉婆も院長先生も、税務調査当日は、丸一日のつもりで予定確保してありましたけども、まぁー夕方4時ぐらいまでには一区切りついて欲しいな、と思っておりました。
調査官の方は、17時までには署に帰りたいという方が多いように見受けますので、先方も切り上げる体制をもって、きっと心の中で段取り考えていることと思います。
教訓:税務調査官もサラリーマンとして縛られている立場にある。Tax inspector is also bound as employee.
万一、まったくその気配がない場合は、こちらからキッカケ作りをする感じで進めております。
しかし今回はですね、ランチタイムぐらいの時間になって・・・
調査官「あともう少しで終わりますけど、このまま1時ぐらいまで少し過ぎちゃってもいいでしょうか?それか、いったんお昼休みにします?」
ってな感じで聞かれました。
玉婆も先生も同意見だったので
玉「こちらはお昼過ぎてもかまいませんので、このまま進めて、まとめに入るカタチでいいんじゃないでしょうか」
といったような返事をし、そのまま調査は続きました。
(その後、区切りがついた様子)
調査官「すいませんねーお待たせして。ところで帳簿って、お預かりしてよろしいでしょうか?」
「留置き」権利行使キターーーーーーー(゚∀゚)ーー!!
平成23年12月2日という、なんとも中途半端な日(しかも師走のバタバタしてる時)に改正されたので、強烈インパクトに残っているのですが、改正された国税通則法に盛り込まれて、もっとも物議を醸しだしたといっても過言でない規定であります。
第74条の7 提出物件の留置き
国税庁等又は税関の当該職員は、国税の調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。
( 調査官の心の声)
この規定があるから、わたしが帳簿預かるよって言ったら断れないですよねフツー。
玉「お断りします」バッサリ←揉め事のタネとなる
教訓:同じ言い方でも、人によって印象異なる。Even same words give different impression according to each person.
これは偏見かもしれないですが、調査官より年齢が若く、しかも一応女性の税理士という立場から見ると、えてして不利な部分は否めないなと思っております。
ここが国税OB(しかも元税務署長とか)だったりすると、そもそも調査官にそういうことを言わせないオーラを持ってる人もいますし、また、調査官自身の人格にもよるかもしれません。
実際「OBだとやりづらいんですよね・・・」
とおっしゃる調査官も過去にいらっしゃいました。
教訓:税務調査官も人間関係の中で生きている。Tax investigator is also living in a human relationship.
今回の調査官は、ザ・昔ながらの調査官 といった感じで
調査官「山口先生の事務所は、そういう方針なんですね。
では、署においてその旨伝えさせて頂きます」
玉「私自身は、通則法でいう留置きというのは、預かった資料を返さなければならないという規定だと解釈しています。正当な理由もなく、単に預かっていいですか?というのは違うと思います」
調査官「いや、税務署は理由に関係なく預かることができるんですよ。納税者側は正当な理由がない限り断ることはできない、という規定です」
教訓:税法解釈をめぐると話が平行線になってしまい、その場で収集付かなくなるため、臨場調査で法律論に持ち込まない方が良い。We should avoid bringing the matter into interpretation of tax law, because it would fail to reach an argument.
と玉婆的には思っとります。
以前、大人数の事務所にいた時なら、断固として留置きは断るし、今回の調査官の態度について、抗議文書を税務署長あてに提出することも視野に入れておかしくないレベルかもしれません。
一方、今は税理士一人の弱小事務所として国家権力と真っ向勝負するというのは、どういうことか意味分かってんのか?的な部分もあります・・・(TT)
~ここで、作戦変更を余儀なくされる玉婆であった。~
玉「私は、ただ単に断ったつもりはないです。院長先生も私も、調査のために今日一日、時間を割いてるんです。
だから、どうぞ今ココで見てくださいと言っているだけです。
それに、事前通知を受けて場所もこうして提供しているワケですから、決められた時間の中で帳簿精査するのが筋じゃないですか?
特に、院長先生はもしも至らない点があれば、直接調査官の指導を聞きたいといって、ずっと立ち会ってくださっているんです。
それにも関わらず、帳簿を署に持ち帰ることによって、不安を与えるということは、税務行政に対する不信感にもつながりかねないと思います」
調査官「だったら、お断りしますなんて言い方しなければいいじゃないですか。はじめから、ここで見てくださいって言えばいいじゃないですか!」
~パチパチ火花散る~
玉「言い方を間違えたことは認めます。申し訳ございません。
まぁしかしですね、こちらとしても調査に必要であればコピーの資料をお渡しすることもありますし、何が何でも資料を渡したくないというつもりではなく、本当に必要かどうかってことを吟味して言って欲しいということです!」( `ー´)
結果、帳簿を預けることはなくなりましたとさ~。めでたしめでたし
調査官「院長先生、ごめんなさいね~私と山口先生が揉めたせいで終わる時間遅くなっちゃって」←まるで玉婆が留置き断ったせいで調査長引いたと言いたげな調査官
ってかですね、一番言いたかったことは・・・
まずは帳簿ちゃんと見てから権利主張してください。
2人がかりで来てるわりには、帳簿全然見とらんやないけ~!!(-.-;
(パラパラめくる速度が妙に速いと思ふ・・・)
というか、かなり細かく仕訳切ってるのでページ数も結構ありましたし(=見るのしんどいと思ふ)見ても調査官の指摘する事項がそこから見えてくるという風にも思えない争点でしたしね~。
~以前にやり手の調査官が来て、帳簿にフセンをビシバシと貼られた状況を思い返す玉婆であった。~
(つづく)