やっと台風通過しましたね~。
台風とは全く関係ない話題ですが、このたび相続税において、H30.1月から「広大地」について税制改正が入る事になりました、というのは多くの方がご存じの通りと思います。
春頃に広大地の改正についてのパブリックコメントを募集しておりましたが、その時は正直「広大地なんてそんなにないしね~」とかなり他人事でした。
前事務所の資産税専門部では、日ごろから広大地がどーのこーのって聞こえてきてましたが、特に東京近辺ですとそんなに広い土地を持っている人はそうそういないでしょうからね~。
というワケで、つい最近まで「山口玉美は広大地を知らないまま一生を終える事になる」と思っておりました。
しかし、そうは問屋が卸さないワケでございます。
(→なぜだかいつもこーゆう運命にぶち当たる)
先日提出した相続税について、不整形地で評価しようとした土地について、相続税の師匠(税理士&不動産鑑定士でもある)から「広大地行けるんじゃないの?」とアドバイスを頂き、広大地と向き合う羽目になりました。
というか、広大地の方が評価そのものは、不整形地よりずっとラクなんですよね。。
「わざわざ想定整形地作ったのにねぇ~はいご苦労さんでした」と師匠に言われる始末(^^;
ところが、広大地で難しいのは、評価そのものではなく「広大地として評価して良いか?を判定すること」なんですよね。
今回の土地、1,000㎡以上あれば問題なかったのかもしれませんが、500㎡以上1,000㎡未満と微妙な大きさでした。
だいたい、フローチャートの最後の関門「開発行為を行うとした場合、公共公益的施設用地の必要と認められるか?」で立ち止まる事になるんだと思いますが、今回まさにココが微妙でした。
最後には、5棟以上の家が建つかどうか?の判断でしたが、土地の形状等考えると、難しいかな~といったところでした。
市の開発要項についてはwebでデータ取れますが、実際問い合わせたところ、建築課とかなんとか、たらい回しにされたり。
まぁーたらい回しじたいは全然大した事ではないのですが、判断が難しいからこそ、多数の争いに発展しているワケですね。
「”グレーゾーン”から考える 相続税・贈与税の土地適正評価の実務」という本には、納税者勝訴・納税者敗訴と事例ごとに載っていて、とても参考になりました。
結局のところ・・・
開発計画を想定した場合の設計図等を作成する必要がある事を納税者にお話ししたところ、今回は諸事情があって、広大地として評価しなくて構わないと納税者からの強い希望があったので、当初のとおり「不整形地」として評価し、申告書を提出しました。
まぁ、もっとも税額にさほど影響がないということで、玉婆的にもアッサリ諦めることができた、という事情もあったんですが(^^;
逆に税額にさほど影響がないので、このまま広大地で評価しても通ったかもしれません。
しかし、仮に取ったとしても、国税側として広大地であることを真から認めたかどうか?!というのが永遠のナゾとして残ることが分かっておりました。
税理士としては後味が悪いというか、きちんと判断した国税側の見解を知りたいという思いはあれど、国税側から見れば大勢に影響がなければそのまま通してしまう、というのこともあるでしょうからね~。
巷では「改正直前ということもあり、結構大胆に行っても通っちゃうみたいよ」とか噂も聞いておりましたし、今でも実際、あの土地は広大地でイケたんだろか?と思い返したりします。
しかし、やる以上は認めてもらいたいし不安要素を与えたくないので、きちんとした資料作成などの対策は必要になるワケで、簡単に出すこともできないというのがツライところです。
そして、そういった対策には費用も時間もかかりますし、納税者にとってもエネルギーを費やす事になりますので、納税者の協力が得られなかったり申告期限が迫っていたりすれば困難ということになってしまうでしょうね~。
節税については、語るとまた長くなるので別の機会を設けたいと思いますが、納税者から見て、節税=税理士が行うウルトラCの技 のように思う方が多いと思いますが、実際はもっと地道であり、納税者自身にも努力が必要とされるものだと玉婆的には思っております(*- -)