Tama Tax Tokyo はてな支店<開業税理士の玉婆が熱く語るページ>

山口玉美税理士事務所Tama Tax Tokyoのブログ支店です。

外貨建預金を引き出した場合の取扱い(金融機関・税金)

玉婆のH28確定申告、住宅ローン控除は先日の記事の通り、正しい面積および取得金額が判明したので処理いたしました。

しかし、もう一つ。見たくないけど避けて通れないものが・・・(ToT)

それは、為替差益。

 

あぁーこんな事になるなら、年調以外の所得20万円以下申告不要だったサラリーマン時代、すなわちH27までに外貨預金を全て円に戻しとけば良かったわ〜(またもや税理士の不養生)

と思ってしまった次第でございます。

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 グローバル、金融自由化、外為法改正の流れでFXなどの様々な投資商品が出てきて、素人も気軽に投資できる時代になってきましたよね。

金利が下がって、ただ定期預金に入れただけで雪だるま方式に増える時代が終わり、元本割れリスクを負っても増やしたい。または日本円の価値が今後心配なのでリスク分散したい。

そういった世の中であれば当然、外貨預金口座を持つことは何ら珍しい事ではないでしょう。

 

玉婆は、銀行員だった親の勧めあり(成績に響くとかなんとか)、ATM引出し手数料の優遇があるとかもあり、外貨の定期積立をしてました。

(↓開業前ブログで2007年3月に外貨預金について書いた記事)

d.hatena.ne.jp

途中で円安になったので、積立をストップしましたが、利息だけは毎月付き続けており、これがまたメンドクサイことを引き起こしてくれました(-.-)

 

レートが良い時に売る、これは誰もが分かっていること。

そういった意味では、平成28年は決して売り時ではありませんでした。

しかし、開業したがゆえに、開業費の出費などあり貧乏どん底一直線ピュー↓

お金を貯めるのは難しいことですが、お金がなくなるのは本当にあっという間ですね・・・

 

そんな中、ハワイ出張に行くことになり、円→$に換えようとしたところ、最近は$預金を$のまま引き出せるという話を聞きました。

(以前はできなかったらしい)

手数料も安いよ~と聞いて、んじゃ外貨預金から$引き出してそのまま持ってこう~という運びに。

 

そして、事務所近くのMUFJ銀行J支店へ。

その支店は、1Fが普通預金、2Fが定期預金、3Fが外国為替と縦長の構造になっています。

当然、3F外為コーナーへ。

MUFJ「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」

玉「ドル預金をドルで引き出したいのですが」

MUFJ「かしこまりました。こちらの用紙にご記入ください。あとご本人様確認書類と印鑑をお持ちでしょうか」

そこまでは良かったのですが・・・

 

MUFJ「お客様、申し訳ございません。

ドルをドルで引き出すとなりますと、一回$→円というお手続きをいたしまして、その後円→$に換えるという2段階のお手続きになります。

1F(普通預金)との連携が必要になりますので、かなりお時間かかってしまうのですが、よろしいでしょうか?それとこちらの用紙にもご記入いただきたいのですが・・・」

(といって違う種類の用紙をもう一枚渡される)

さらに、手数料の金額も最初言った金額が安く言ってしまったらしく、高くなってしまうのですがスミマセンといった感じで。

要するに、外貨を外貨で引き出すのはあまり慣れてないし、メンドクサイというのがすごい伝わって来ました(^^;

玉「まぁーしょうがないですね。このまま$持って海外行く予定なんで。」みたいな。

ドルベースの引出しですと、たしか、100ドル単位での引出ししかさせてもらえなかったと記憶しています。

 

とまぁ、外貨での引出しは無事にできてハワイ行ってきて、そこまでは良かったのですが・・・

外貨を外貨で引き出した場合って、為替差益どうなるんだろう・・・?!

銀行の取扱いでは、一度$を売って円を買っている。

ということは、その段階で為替差損益を認識しなくちゃいけないのかしら?!

でも外貨を外貨で引き出した時点では、実質的には何の損益もないし、円→$に再び替えるという外貨を取得した時点では、損益の計算は起きない・・・

 

周りの同業者に聞いても、そういったケースはほぼないみたいで。

「認識しなくていいんじゃね?」とか、正直パッとする回答は返って来ませんでした。

ってか税理士なんだから自分で調べろよ、って当然なるワケですね、ハイ(^^;

しかしながら、将来顧問先でそういったケースもあるので、ここはひとつハッキリさせなくてはと思い、調べたところ、国税庁の質疑応答に出てました。

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(↓国税庁HPより)

外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い|所得税目次一覧|国税庁

為替差益を認識する必要はありません。

 このようなことを踏まえると、本件預金の預入及び払出は、他の金融機関へ預け入れる場合であるとしても、同一の外国通貨で行われる限り、その預入・払出は所得税法施行令第167条の6第2項でいう外国通貨で行われる預貯金の預入に類するものと解され所得税法第57条の3第1項の外貨建取引に該当しない、すなわち、為替差損益を認識しないとすることが相当と考えられます。

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 以前に、為替差益を雑所得で申告したお客様がいて、その時はメインバンク→他の銀行に外貨をごそっと移したのですが、確かにその時は認識させず、上記の取扱いでした。

 

しかし、自分の場合、今回はハワイで外貨を使っている・・・

80円位の時に買った外貨で、今105円ぐらいの物が買えているという状況。

でも外貨で引きだしたら為替差益なしっていうんなら、皆そうしちゃうよね~って思ったワケです。

さらに、他の質疑応答見ますと

(↓国税庁HPより)

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預け入れていた外貨建預貯金を払い出して貸付用の建物を購入した場合の為替差損益の取扱い|所得税目次一覧|国税庁

為替差益を所得として認識する必要があります。

 (省略)

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貸付用建物っていうのは極端ですけど、上記他を総合的に勘案しますと、玉婆の今回の取扱いについては・・・

(1)$を$で引き出した時点では、為替差損益は認識しない。

(2)引き出した後、ずっと現金で持っていれば為替差損益は認識しないで済んだかもしれないが、ハワイに行ってその$を使った時点で為替差損益が実現したとして、認識すべきこととなる。

ということでしょうね(-.-;

要するに、やはり為替差損益が生じているワケです。

 

(長いので次回へつづく)