今年も税理士試験の日程が近づいてまいりましたね~。
といいつつ私ごとで恐縮ですが、昨日、米国税理士の試験を受けに行ってまいりました。
米国税理士って何ぞや?
ということに関しては、TACのホームページが詳しいため、リンク貼っておきます。
日本では「米国税理士」という呼び方をしているワケなんですけども、アメリカでの正式名称はEnrolled Agent(EA)「登録代理人」・・・って(-.-;
Tax って言葉がどこにも出てこないんですけど?!
日本では、会計士や弁護士も税務代理をするためには、税理士登録が改めて必要。
それに対し、米国では、プロフェッショナルとしては下記の資格を持つ人が、その資格のままでIRS(内国歳入庁)に対して税務代理業務を行うことができる、ということになっているようです。
・Attorney弁護士
・CPA公認会計士
・EA日本でいう「米国税理士」←今回3科目中のうち1科目受験
・Enrolled actuary登録保険数理士
・Enrolled retirement plan agent登録退職年金プラン代理人
EAになるための試験はIRS(内国歳入庁=日本でいう国税庁NTAみたいなもん)が実施しており、日本では東京・横浜・大阪、全国4ヶ所で受けられるとかで、玉婆は事務所から歩いて行ける、御茶ノ水駅すぐそばのソラシティにて受験。
そして、試験終了後「即日」結果が出ます。←日本の税理士試験の4ヶ月とかから見たら信じられない状況
Facebook・ツイッターでのコメントや「いいね!」を下さった方々には、この場をお借りして、心より御礼申し上げますm(__)m
なんで受験に至ったのかっていうのは、また話すと長いので改めて記事にしたいと思っておりますが、端的に言うと仕事上必要になった。ということ。
(その前にUSCPAをちょっと勉強したけど、あまりの英語力のなさに打ちのめされたため休止。その後英語の勉強を基礎からやり直し→TOEIC という流れ)
そして、USCPAは税法以外の科目もたくさん勉強しなくてはいけないんですが、玉婆は税法を掘り下げたかったのでEA講座をTACで申し込んだ、という次第であります。
試験に受かることだけが目的であれば、トランプ税制が落ち着いた来年以降の受験の方がラクなんですけども、多分。
(改正後だけ知ってればいい)
玉婆は、トランプ税制の改革で何が変わったのか?
つまりは改正前と改正後の両方を知りたかったので、あえて税制改正の暴風域に入っていった。という次第でございます(T0T)←なぜかラクできない運命のようです
そして、GW直前にTACに申し込んだのですが、TACの方もテキスト改正とか大変だったようで、最初の講義配信が6月末にやっとキタ――(゚∀゚)――!!
その間に、トランプ税制改正の特別講義がTACで配信していて、ついでに受けられるので受講。←これが素晴らしい
というかですね、サードパーティーの教材は、オンラインの今、日本にいても米国のものが手に入るのですが、やっぱり日本人にとっては日本語で理解するのが早いし、英語で直だと意味違って理解してしまうこともあるので、日本語で学ぶことは確実に近道になります。
教訓:英語で勉強できるレベルとしても、特に税理士の知識ある人にとっては日本語で吸収することお勧め。
しかし日本語だけでいいかというとそうではなく、米国の教材にしか書いてないこともあるし、英語ならではの表現っていうのもあるので、両方見ないと合格には至りづらいと思うし、それによって確実に英語の勉強にもなります。
でもって通常、受験はPart1個人課税→Part2法人課税→Part3手続等規定 という流れがスムーズで、玉婆も実際Part1から勉強始めたんですけども。
なんでPart3から受けることになったのか?
といいますと、ハワイのEAさんからイッキに3科目やったという話や、周りで1科目ずつ取り組んですでに合格した科目が期限切れexpireして断念した人がいるという話を聞きまして。
教訓:最初の科目合格した日から2年以内に全科目合格できない場合、既に合格した科目は切り捨て。
Part3は日本でいうところの国税通則法+国税徴収法+税理士法 のようなものでして、純粋な計算は一切なく(更正期限とかの日数計算ぐらい)理論だけですので、英文読解力が確実に問われるパートになります。
日本人にとっては半分以上、英語の試験みたいなもん
コンピュータ四択で100問(各パート共通)なんですけども、and とor の違いを見落としたらアウトってのもあり。
TAC合格体験記では短期間で受かっている方も多いけど、それは英語と会計両方のベースが既にあるからの話。←元スペック良い人がほとんど
教訓:元々の英語の土台がない人については、Part1・2が受かってからPart3に取り組んだのでは、expireしてしまいかねない。
ということを悟ったので、Part1と並行してPart3の勉強を少しずつ始めました。
しかしながら、問題演習を重ねていくうちに、意外とイケるかも?と思ったので、とりあえずは受けてみることに。←日本の税理士とは大違い
TACの厳選問題84問(講義で丁寧な解説あり)→アメリカのGleim問題集205問(TACの分かりやすい日本語解説付き)でABランクができれば十分、とうたってあったのですが・・・
教訓:どこまで勉強すべきかは自分の判断ですが、私自身は決して「十分」とは思いません。
↑日本の税理士試験でそのこと散々学習済み(-.-;
Gleimのオンラインコンピュータソフトには546問の問題が入ってるとのこと。
問題集には載っていない難しい問題もたくさんあります。
その546問を全て解いた身をもって、なお本番で、どう考えても見たことのない問題が10問ぐらい出たというのが事実。
教訓:傾向と対策は、割とすぐに打ち砕かれる。
1問目から、いきなり「うわぁー知らんがな」っていうのが出てしまい、このテンションで残り99問解くの嫌じゃぁー(号泣)っていう気分に・・・
模擬試験の時は3時間半→実際には2時間ぐらいで解き終わるようになってたのですが、本番では見直しして、TRUEとFALSE逆に捉えてたやないけー!と選択肢変更したものとか、見たことない単語が7,8個あったり。
(メモ用紙にメモしたけど、回収されてしまうので忘れてしまい、結局今も調べられず)
その分からなかった10問ぐらいについて、家に帰ってきて調べたところ
(1)IRSのFAQに載ってたものが1問。←常識でこれかなぁーって思って合ってたっぽい
(2)Wikipediaに載ってたものが1問。←完全当てずっぽうなのに運よく合ってたっぽい
(3)調べても解釈が不明なものが数問。←いまだに謎
(4)IRSのHPに載っていて、明らかに外してしまったのが1問。
(5)Gleimテキストに数行ペロっと載ってた。しかし選択肢どれにしたか忘れたのが1問。
教訓:サードパーティーのテキストだけが試験範囲ではない。
ex.日本に当てはめた場合
「法人税法の中で内国法人に関する規定は何条まであるか?」とか
「死亡した人の確定申告書に相続人が署名する場合の名前は?」とかいう感じの問題が出て、知ってれば秒殺、知らなければアウトみたいな問題アリ。
しかしながら
教訓:四択なめんなよって思う反面、無知でも25%の正答チャンスあるのはデカイ。
そんなこんなで本試験の恐ろしさを感じつつ、本番では結局、まるまる3時間半。
試験が終わった後は、アンケートの画面が出てきて
「試験会場はあなたの居所から100マイル以内にありますか?」←アメリカらしい
「何の教材を使って勉強しましたか?」
など答えて、最後にFinishのボタンを押したところ・・・
パソコンの画面が真っ白になって、小さく一言
pass
ガクーッっと全身脱力。。。←受付で結果渡されると聞いてたので、まったく予測してなかった状況
予想に大きく反して、正味3週間で合格できたワケですが、日本の税理士試験の科目合格とは重みが違うとはいえ・・・
教訓:科目合格制の試験においては、最初の1科目受かることの意義は大きい。
思わず、日本の税理士試験で初めて簿記論に合格した時のことを思い出して、涙ぐんでしまいましたねぇ・・・
これからまだ2科目ありますが、とりあえずEA試験に必要な英語力はクリアーできたということで、これ以上難しい英単語はそう出てこないので、かなり重い負担が消えたのではないか、と思っております。