Tama Tax Tokyo はてな支店<開業税理士の玉婆が熱く語るページ>

山口玉美税理士事務所Tama Tax Tokyoのブログ支店です。

恐怖の相続時精算課税

確定申告、あと一週間後、解放感に浸ることが本当にできるんでしょうか・・・

 

先日、今回の確定申告から関与の顧問先、経理をされている奥様がご来所。

「これは・・・山口先生に相談すべきことかどうか分からないのですが←先生とか呼ばれてチョッピリこちょばいヤシ

ってな事に限ってたいがいムチャむちゃ大事なことだったりするので、迷わずすぐに相談頂きたく候

玉「そうですね~

 ウンチャラカンチャラといったやり取りについては、〇〇の金額が贈与税の課税対象になりますね。しかし、たいがいは贈与税の基礎控除110万円の範囲内で収まる金額ですね。なので、申告される方は少ないと思います」

(同業者ならウンチャラカンチャラが何か想像つきますかね?)

 

玉「ただ、贈与税の申告の方法が2種類あって、今言ったのは”暦年課税”といって、毎年110万無税だよって言われているタイプなんですけど。

  もう一つ”精算課税”といって、一生涯で2,500万円までの控除枠があるタイプなんですけど、そのタイプで過去に申告されている場合は、税金が出る出ないにかかわらず、1円の贈与でも申告が必要になっちゃうんですね。控除枠を使ったよっていう報告みたいなもんですね。

それで控除枠を超えた場合は、一律20%の税金ということで、暦年課税は贈与の金額が高くなればなるほど税率も上がっていくので、それと比べると一見オトクな感じはするんですけど、一度選ぶともう暦年課税に後戻りできないので、私自身はあまり積極的には進めてはいないんですよね~

自社株式とか値上がりしそうな不動産とか、大きいものをドーンと移したいときには使いがいがあるんですけどね~」

 

とかなんとか言いつつ、でも精算課税使っている人って今まで数名しかいなかったので、でもまぁー説明しとかないとね。

 

そして、その夜奥様が確認してくださったところ

はい。ドンピシャ昨年精算課税で申告されてましたぁ~

 

(よかった説明しておいて。ヒュ~)

 

今まで開業支援に頭が行っちゃってて(言い訳がましい~)過去の生前贈与とか聞いてなかったですが、関与始まった時点で人間ドックならぬ

税ドックせにゃならんわ、と反省いたしましたm(__)m

 

相続時精算課税については、一生にかけて管理せにゃならんということで、↓の例のごとく簡単な管理表を作成しております、の図。

(ほんとに簡単でスミマセン。↓は実際の内容とは変えてあります)

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前年の申告書見れば、残りの控除枠書いてあるんですけども、やっぱり一覧できた方がいいかなと思いますし、お客様にもデータ共有していただけますしね~。

平成が30年で終わる予定ですし、顧問先で海外財産もいらっしゃるので、西暦の方が何かと便利なので両方記載。

さらに、お客様へご記入いただくチェックシートをご用意させていただいております。

(精算課税で申告すること承知しました、的な)

 

相続時精算課税がトクなのか、はたまた暦年課税がトクなのか、相続になってみないと正直なところ分からない部分もあると思います。

相続時精算課税は「生前相続」ともいわれている制度なので、税金だけでない部分をむしろ検討していただく必要があるといいますか

☆渡す人=将来、先に相続になる予定の人(主に親)が、ご自身の目の黒いうちに大きな財産を渡しておきたい

 

☆↑でも、特にご自身の経営している会社の株式すなわち自社株など、流通性がなく分けづらい、そしてお金というよりはむしろ「会社そのもの」を渡すにあたり、子供たち均等に渡すのは難しい場合や後継者を決めている場合など、生きているうちに財産の行き先を決めることは非常に大事と思ふ

 

☆一度に多額のお金を渡したい場合、将来値上がりしそうな不動産を渡せば相続の時に渡すよりもオトク感あり

 

☆暦年課税は自分自身がもらった合計で年間110万円基礎控除(無税)に対し、精算課税は父・母と財産くれる人それぞれに2,500万円の控除枠使えるのは大きい

 

また、今回の税制改正で事業承継の納税猶予制度でも精算課税が使いやすくなるとかで、今後もっと発展していく制度になってゆくのではないかな、と思っております。

(しかし後戻りできないので、自己責任分かって頂ける人でない限り勧めないと思ふ・・・)