Tama Tax Tokyo はてな支店<開業税理士の玉婆が熱く語るページ>

山口玉美税理士事務所Tama Tax Tokyoのブログ支店です。

分離譲渡所得/第三表vs繰越損失/第四表

確定申告真っ只中、税理士業界にとって憂鬱なタイトル来ましたね(^^;スンマセン

譲渡所得は金額も大きいこともあり、やっぱり普段ない緊張感走ります・・・

 

そんな中

「事業所得が赤字、分離譲渡所得が黒字」キター

今までありそうでなかった、というか、別にあってもおかしくないんですけど。

事業所得の赤字と分離譲渡所得(土地・建物の譲渡)の黒字は残念ながら損益通算不可。

ということは、事業所得の残った赤字は当然、翌年に繰り越ししたいですぅー

 

前もって譲渡所得の方を先に進めてたので内訳書・第三表作成済。

そこで、達人のソフト設定で繰越損失の明細作成すべく、第四表ポチッとな。

すると、あれれ?!なんと!

第三表が消えたぁーーーーーーーー!!

ついでに損益通算の計算書が薄いグレーに(意味深感じざるを得ない)

f:id:tamabar:20180302132401p:plain

 

え、、内訳書どうなった・・・?

恐るおそる見たところ、内訳書は残ってたのでホッとしつつも、今度は第三表ポチっとな。          ↑何度かポチポチしてたら消えてました。打ち直し号泣

すると今度は第四表が消えたぁーーーーーーーーー!!

ついでに損益通算の計算書が普通の黒に復活

 f:id:tamabar:20180302132340p:plain

 

どどどーゆーことっすか?!

13年もこの仕事してるのにそんな事も分からないのかよ・・・

と言われそうですが、玉婆的には何気に初めての事例でした(^^;

 

でもって、ネット色々見たところでも結構迷っている方が多い様子。

良かった玉婆だけじゃなくて

 

実際のとこ・・・

↓とある大手会計ソフトのHPには、以下の様に記載されており。

第三表(分離課税用)と第四表(損失申告用)を同時に選択することはできません。選択できる確定申告書と付表の組み合わせは以下のとおりです。 

  • 第一表/第二表(付表は選択できません)
  • 第一表/第二表/第三表+付表(すべての付表を選択できます)
  • 第一表/第二表/第四表+付表(すべての付表を選択できます) 

 

 

そして、 とある巨大ポータルサイトの質問コーナーのベストアンサーには

「第三表が不要」とキタ。

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

一方「第四表は不要です」という風に回答しているページもあり。

具体的に所得税法70条が根拠です、とまで書いてあるところ、相当自信ありと見た。

 

そこで、すかさず条文見たところ、確かに「第四表が必須です」といったようなことは書いてないですね、ハイ。 

 所得税法第70条  純損失の繰越控除

確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前3年内の各年その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。において生じた純損失の金額(カッコ内省略)がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。

 

  (中略)

4 第1項又は第2項の規定は、これらの規定に規定する居住者が純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出しかつそれぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。

Q.第三表vs第四表 いったいどっちを提出するのが正しいの? 

この際 ♪ハッキリカタをつけてよ~ by山口百恵

ちなみに、玉婆個人としては

・第三表は当然提出すべきですよね

・でも第四表提出しなかったがゆえに万一翌年に繰越控除受けられなかったら責任取れないので、第四表も提出しておきたい

というワケで、両方提出したい派なんですけど?

 

と思いまして

必殺:国税OBに見解聞くの術

ここで「税務署の運用としては第〇表だね~」とかいう答えをひそかに予想していたのですが・・・まさかの

A:ソフト会社に聞くしかないのでは

 この短い言葉から、以下の様に解釈いたしました。

第三表・第四表両方提出すべき。

しかしそれはソフトが対応できてないだけでは?

 

しかしながら、玉婆が知りたいのは、ソフト会社がどーこー以前に何が本当に一番正しいの?!ってことでしたので、所轄税務署に♪プルル~(かくかくしかじか説明)

 

個人課税「譲渡のことは資産税じゃないと分からないですが、第三表はもちろん提出すべきものとおもうのですが、できれば第四表提出して頂けると・・・しかし提出がないとしても繰越損失の効力じたいはあります

玉「そうですか。ではやはり第四表提出の方向で考えますね。

  しかし達人ソフトが同時作成不可能ですので、電子申告では第三表のみ送信します。そして、後から第四表を別送で宜しいでしょうか?」

個人課税「そのようにして頂けますか?第四表は期限後でも構いませんので」

個人課税「ちなみに、国税庁のHPの確定申告書作成コーナーでは、両方同時に作成できそうなのですが・・・

玉「そうなんですね!分かりました。時間があったら試してみます」

試すワケないでしょう。何のためにお金出して専用の申告ソフト使ってると思ってんの。税理士なめとんのか

 ~と思いつつも、無事に解決策が分かりホッとした玉婆なのであった~

 

玉「しかし~国税庁のHPに出ている損失の申告書の記載例には、今回の様な事例が載ってないんですよね。

↓当該ページ

損益通算及び繰越損失額の控除を行う場合の申告書の記載要領|確定申告書の記載例|国税庁

  譲渡が2件以上あるのも通算して最終的に赤字になっている事例だけですので、他の人も見て迷うと思います。

 しかし、ホームページに対する要望は、今ココで言ってもしょうがないですよね。どうしたらいいでしょう?」

個人課税「それは、国税庁の方で言って頂きたいかと・・・」

玉婆「(アナタ様も国税庁の一部では?と思いつつ)まぁーしかし、現場で何かそういう話題がありましたら、この様な意見もあったぐらいは言って頂けるとありがたいですね。お忙しいところありがとうございました。」ガッチャン。

 

税務署側の見解が分かったのと、丁寧な方に当たってラッキーでした、ハイ。

10年ぐらい前でしょうか?税理士は税務署へ質問できないこととされましたし、そんな事税務署に聞くべきではない、と思う同業者もいるとは思うのですけども。

それは税法の解釈のことであり、実務的な運用については確認することもやむを得ないのではないかな?と思う次第でございます。

 

次に、達人ヘルプデスクへ♪プルル~

達人担当「はい、同時作成できないですね。

    第三表は作成不要ですから」バッサリキター

玉「え、それは何が出所か分かりますか?」

達人担当「はい、国税庁HPですね」マヂすか

     「申告区分というページに書いてあります」

玉「そうですか、ありがとうございます」ガッチャン。

↓コレのこと言ってるのかな?と思うのですけども(違ったらスミマセン)

でも措置法41の5(居住用不動産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)および41の5の2の適用を受ける場合、というのが気になる・・・

それは分離譲渡所得が損失の場合だからでは?という気もしなくもない

f:id:tamabar:20180302135212p:plain

先日、信義則について書きましたが、税務職員に限らず、結局最後は自分の判断に返って来るんだなといった次第でございます。

達人を信じないワケではないですけども、両方出しておいて損することはないので、やはり念には念を入れつつ・・・玉婆は両方出すことをご報告申し上げる次第でございますm(__)m

 

とブログ書いてる途中で、先のOB先生から

J〇Lは出せた

とのご連絡キター!(ありがとうございます)

 

ってかさぁぁぁーーー

Q.最初から申告書ソフトで両方出せたら、この疑問沸かなかったってことですかぁ?

(達人以外のソフト使っている税理士さんの意見求む)

むすび

以前に尊敬する先輩が

「俺はさー、手書きでも申告書作成できなきゃいけないと思ってるんだよね。地震があってシステムダウンしても絶対申告期限までに仕上げてやるってね」

と言ってたの思い出しました。

ソフトがないと申告書作れないというワケではないんでしょうけども、電子申告必須の世の中になって行くうえで、やっぱりソフトも大事かなーと思いますしね~。