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Tama Tax Tokyo はてな支店<開業税理士の玉婆が熱く語るページ>

日芸音楽学科を卒業したのに簿記と出会って経理ウーマンとなり、税務相談ができるBARを夢見ていつの間にか税理士になった玉婆のブログ。

合格後に絶対聞いておきたい先輩税理士の話〜開業体験談

お仕事

昨日、東京青年税理士連盟(青税)の実務研修セミナー「合格後に絶対聞いておきたい先輩税理士の話」において、開業体験談の依頼を承り、話してまいりました。

自分もまだ開業したての身で「先輩」というほどのものではないのですが・・・(^^;

「面白かった」というコメントが多かったようで、タメになるかどうかは別として、面白い事をしたい、というのが自分の目指すところなので嬉しい限りでございます。

 

玉婆に与えられた時間は15分間。

スピーチでは1分300文字が標準とすると、約4,500字(原稿用紙11枚分)

玉婆はあまり原稿とか用意せずに、思いついたことをアドリブでしゃべってしまうんですけども・・・

(音楽に例えるなら、クラシックというよりJAZZといった感じ)

さすがに15分となると、効率よく話さないと要点ボケるなーと思ったので、ある程度骨子をまとめてから出かけることといたしました。(しかも最初10分と聞いてたし⁈)

しかしながら、かなり時間オーバーしてしまいまして…

後の人が話す時間へかなり押してしまい、反省の嵐ピュー。 

f:id:tamabar:20170209091034j:image

それにしても、いつも話しに夢中になると口を尖らせて喋るクセがあり、何とかならないものかなぁーと…

以下に、カットした部分も含め、お話した内容の骨子をアップします。 

1.プロフィールについて(時間足りないためホワイトボードに書いて端折る)

日芸→メガネ販売員→メガネメーカー→IT業界→会計事務所ということで、語ると長くなるし、すでにご存じの方もいると思うので、細かいところはカット。

 すなわち、以下の通り。

一般企業に8年、会計事務所勤務12年。

一般企業時代に、簿記1級、簿記論、財務諸表論、法人税法に合格。

法人税合格と同時期に会社が経営悪化し解雇されたので会計事務所に転職。

20人規模、120人規模の税理士法人で通算12年勤務し、平成28年11月に千代田区神保町にて「山口玉美税理士事務所・Tama Tax Tokyo」として独立開業いたしました。

 2.独立開業した理由

税理士受験生なら、誰しも独立開業を夢見るものだとは思います。

自分も例外なくその一人でした。

しかし、実際に会計事務所に勤めてみて、独立開業が決して甘くないことを思い知りました。自分にはもっともっと修行が必要と思いました。

また、転職で複数の業界を渡り歩いてきましたが、イヤだから辞めたということは一度もなく、キャリアアップで自然と転職の話が舞い込んできたり声がかかったりといった状況でしたので、独立開業についても、もし自分が開業すべき人間であれば、いつか期が熟した時自然とその時がやって来るものと思っていました。

今回も、正直なところ、待ち望んでした独立ではなく、いろんな事が重なって「あぁ独立すべき時が来たのかな?」と思った次第です。

その、いろんな事とは以下の通りです。

・夫が実家にある社長イスを家族から邪魔と言われて、自宅に運んできた。

・父が定年退職し、ずっと家でテレビを見ていて一日200歩ぐらいしか動いていないため、これはすぐ寝たきりになってボケてしまうと思った。

 父に仕事を提供する必要があると思った。(で、スタッフとして雇うことになった)

・勤務先での仕事が増えてきて、それは楽しいから別にいいけど、終電が何度か続いて、自分の体力の限界を感じた。このまま年を取ってから独立したのでは、開業準備や一人で乗り越えなければならない壁に遭遇した時にムリなので、体力が完全に衰える前に独立しなければアカンと思った。

・それと同時に、忙しくなってきて、自分自身が納得のいく仕事ができていないのを感じた。優先度はどうしても顧問料が高い方が先になってしまうが、そうでない顧問先で急ぎの案件があったが、VIPの顧問先を優先せざるを得ず、そうでない顧問先に対し、非常に不本意な結果を招いてしまった。

すべての顧問先に納得のいくサービスを提供するには、件数が多すぎる。

私は妥協できないタイプだし、顧問先に本当に納得して欲しいと思っている。

また、常に相手が求めている時すぐに応じてあげたいと思う。そのためには、月次顧問の件数を絞って、単価が高くても納得頂けるような顧問先の方を中心に、濃いサービスを提供したいと思った。

また、おこがましいけども、山口玉美でなくてもできる仕事はしたくないと思った。

誰でもできる仕事なら、安い方がいいに決まっている。自分自身も法外な値段設定をするつもりはないけども、山口が顧問で良かったなと心から思ってほしいし、そう思ってもらえるような仕事がしたいと思った。

しかし、特に大手事務所にいると、人間としての魅力というよりは、事務所全体として画一的なサービスを滞りなく提供できることに重要性が置かれる。

結論として、私はやはり独立すべき人間なんだと思った。

・そんなことを考え始めた矢先、顧問先が外国法人を設立することになり、それがきっかけで海外が絡む仕事の話を頂いた。

今の事務所にいたら多分、事務所の体制的にも、自分の仕事量からしても、携わることはできないので、この仕事がしたかったら独立するしかないと思った。

・顧問先から「独立しないの?」とボチボチ言われるようになった。 

3.独立して良かったこと

上記2と重なりますがご了承ください。

・やりたい仕事ができていること。

収入はまだ全然少ないが、勤務時代にはできなかった、新しい仕事を頂いている。毎日が本当にやりがいのある日々を過ごしている。

その大きな一つとして、仕事で海外に行けたこと。

開業してすぐハワイに出張し、現地のUS.CPAやハワイの銀行2社と打ち合わせを行った。世界の中の自分を感じることができ、今まで仕事してきた中でもっともワクワクした経験となった。

この2月には外国法人2社の決算処理に取り組んでいるところである。

英語は大してできないが、ハワイの方はみな日本語が話せたので今回は何とかOKだった。しかし、これからやはり必要と感じている。

・父と一緒に仕事できていること。

通勤だけでも運動になっているようだが、事務所が皇居の近くなので早朝ランニングをエンジョイしているようである。68歳なのでまだまだ働けると思うし、父もやりがいを感じてくれていると思う。何より今までは年に数回だったのが、このところ毎日家族コミュニケーションが取れており、お互いに安心できる。

・自分の判断、オリジナリティを駆使できること。

ロゴマークを考えたり(商標出願中)、封筒や名刺のデザイン、事務所の備品や小物を自分で選んだり作成している。パソコンは最高のスペックで夫が自作したものとなっている。

また、ブログに仕事の話を書くのも自分の判断でできる。(守秘義務はあるが)

・好きな場所に事務所を借りれたこと

家で開業すると怠けてしまうと思うので、初めから事務所を構えるつもりだった。

どこに行くにも誰が来るにも便利な場所で、以前より通勤時間も減り、本当に良かったと思う。

音声入力ができ、好きな音楽をオーディオで聴ける。

・経営者としての感覚でモノを考えられること。

自分はサラリーマン税理士だったので、経営者としての感覚は正直今までなかったと思う。

コストダウンすべきところは工夫し、所々経営上の判断が必要になるが、自分で体感してみるとやっぱり違うと思った。

・ 経費で落とせること

この辺はまぁ多く語らずで・・・。

・自分の人脈が活かされていること

開業前に出会った人、開業後に出会った人といるが、良い人・スゴイなぁ~って人たちとめぐり合えて、本当に恵まれていると改めて感じた。

自分一人では限界があれど、他専門家の方や他業種の方とコラボして、勤務時代にはできなかった、より良いサービス・新しいサービスへの可能性が広がりつつある。 

4.独立して困ったこと、後悔したこと

・安定収入がないこと

有給とか関係ない。自分が仕事しなければ収入はない。健康を害したら一巻の終わりである。

仕事が常にあるとは限らない。

(今のところ、おかげ様で仕事がないという苦労はないのですが)

・開業費がかかったこと

(詳細は省略いたします。)

・分からない時にすぐに聞けないこと

自分で調べるクセはついているものの、書物やインターネットにない素朴な質問や、実務上こうする、っていうのが、すぐには聞けない環境である。

なので、独立を考えている人は、青税でもなんでも外部で気軽に聞ける仲間を作ってから独立した方がいいと思う。

判断はすべて自分に責任がある。(←独立している人から見たら、当たり前なんですが)

・一から自分で用意しなくちゃいけないこと

前事務所のものは持ち出せないので、特にひな形が手に入らないものは自分で作る必要がある。

(しかし、税務調査立ち会い記録簿など、青税で書式の用意があり、あぁー青税会員で良かったと思った) 

5.合格後に勉強すべきこと(時間ない為カット)

・受験科目以外の税法科目

税理士試験では税法3科目の合格で上がってしまいますが、実務では合格科目ばかりを聞かれるワケではありません。

例えば、法人⇔個人の不動産取引ひとつにしても、法人税、消費税、所得税相続税、固定資産税etc.複数の税法科目が入り乱れます。

個別の税法だけでなく、横断的な判断力を養う必要があります。

国税通則法税理士法

税理士試験になぜかないのですが、特に税務調査立ち会いにおいて国税通則法を知らなければ税務調査官とやり合うことなどできません。

・租税法、税法学、行政法憲法民法など

青税でこれから学ぶ機会があると思いますが、税法の基本原理・解釈のしかたを知らずして一つ一つの取引を暗記的に処理していたのでは、今までにないことが起きた時や税務調査の時に望ましい対応ができないと思います。

憲法は税法よりも上位にある法律ですし、民法相続税を勉強された方はご存じと思いますが、税法だけでは解決できない問題がたくさんあります。

自分がどこまで立ち入るべきなのか、弁護士に相談すべきことなのか、切り分けるためでもありまた、仮に外部の専門家の力を借りるにしても、納税者にとってお金の一番近い部分を握っている税理士が絶対的に頼られる存在でなければならないと思いますので、外部の専門家の判断を分かりやすく伝える、また納税者の思いを外部の専門家に伝える重要な役割を担っているので、そのためにも基礎知識は必要だと思っています。

判例

青税で判例研究会があります。

最近、最高裁の判決で民法・税法の取扱いが変わったりするケースもありましたので、判例は重要です。また、通達にもないような事は判例を必ず調べることになります。

・経営に関する知識

中小企業診断士を取る方もいらっしゃいます。自分は持っていないですが・・・

・不動産、保険に関する知識

自分は代理店にならず、その道のプロと提携する形をとっていますが、上手いだけの話から顧問先を守るためにも基礎知識は必要と思っています。

・顧問先となる業界の知識

自分は前事務所では医療部にいたので、他の部署の人が読まないような「日経ヘルスケア」「東京保険医新聞」なども愛読していました。

また、農業の顧問先を持った関係で、農業経営アドバイザーの資格を取ってしまったので、農業に関する研修も参加したりしています。

・自分の場合は、海外の仕事のために、英文会計を勉強しなくてはいけない状況にあります。(これからする予定)

6.開業税理士にとって必要だと思うこと(知識以外に)

・人脈

自分にいくら知識があっても、税理士一人でできることは限られています。

大人同士ですしビジネスですので、Win-Winな関係でなければ協力などしてくれるワケがないと思っています。他に任せた方がいい場合など、自分のロスを最小限に抑えるためにも人脈は重要です。

特に開業を考えている人は「六青会」の行事などに参加して、弁護士・司法書士・社労士など連携できる人を作っておいて損はありません。

・体力、精神力

自分しかいないので、病気になっても仕事は完成させなくてはいけないし、ちょっとやそっとの事でくじけている暇もありません。

お客様の悩みを聞くのが商売なのに、自分が悩んでいるような人に相談したいとは思わないと思うので、体・心ともに健康であって、どんな悩みを聞いてもデーンと構えていられる自分でなければならないと常々感じています。

・潔さ、判断力

同じく、税理士一人でできることは限られていますので、できないことは他に頭を下げてお願いする、諦めるなどのとっさの判断が必要かと思います。

・交渉力

税務調査しかり、新規顧客開拓しかり、様々な面で交渉力が問われるなと実感しています。

・ある程度の開業資金

お金的に体力がないと、単価の安すぎる仕事、やりたくない仕事も引き受けざるを得なくなります。

せっかく開業したのだから、自分がやりたい仕事を選ぶ為にも、軌道に乗るまでの期間持ちこたえられるだけの資金は必要かと思います。

・情報収集力

開業に限らないですが、これだけ情報が溢れすぎている中で全部の情報を自分のメモリにインプットはできません。

また、税理士は時間が命ですので、必要な情報、有用な情報をいかに短時間で集められるかというのは仕事を大きく左右すると思います。

必要な書籍はケチらず買う、専門分野に詳しい人に質問できる状況にもっていく(これも人脈ですが)など、情報の収集方法を確立しておくとよろしいかと思います。

・IT

今パソコンが使えないと生きていけないことは承知の上と思いますが、開業するとPC設定一つから自分でやらなくちゃいけないので、すごく不安でした。

・前向きな思考

開業したばかりでなんですが、開業すると勤務時代にはない苦労がたくさんあると思います。

それでも、苦労して自分で得たものは大きな糧になると思いますし、苦労を避けたい人は開業すべきではないと思います。

税理士試験を乗り越えてきた以上、試練に対する耐久力は人並み以上にはあるはずです。

7.結局のところ、独立して良かったか?

決して良いことばかりではなく、上記4の様なこともあるが、それは独立したものの使命として当たり前に思っていたので、自分自身はまったく後悔していないです。

 

独立するまでには時間がかかりましたが、せっかく大変な思いをして資格を取ったのだから、一度は独立してもいいかなと自分は思いました。

実際に独立してみて、収入に関わらず、想像以上に独立して良かったと思っています!

また、独立してみて青税のありがたさを今まで以上に感じました。

青税に入って本当に良かった!(←ココもっとも重要)

 

~ご清聴ありがとうございました。~

(ペコリ)

以上で5,000文字超えてますね。

明らかに時間足りないワケです(-.-;

新合格者の方に対して開業の夢の実現に向けて、後押しになってくれれば嬉しいなぁ~と思っております。